なぜS&P500上位のハイテク株に集中投資したのか

2024年1月、個別株投資を始めるにあたって、僕は「S&P500の上位銘柄から、ハイテク・半導体の比率を高めて選ぶ」という戦略を取りました。

S&P500は米国の優良企業500社の株価指数です。その上位銘柄は、アップル、マイクロソフト、エヌビディアといった、世界を代表する巨大企業が占めています。つまり、S&P500の上位 = すでに市場が認めた勝ち組企業なんです。

さらに、僕はその中でもテクノロジーセクター(TECL)や半導体セクター(SOXL)の銘柄に比重を置きました。理由は単純で、「AI革命が来る」と確信していたからです。AIが普及すれば、GPU(エヌビディア、AMD)、クラウド(マイクロソフト、アマゾン、グーグル)、半導体製造(TSMC、ASML)——これら全てが恩恵を受けます。

この戦略は正解でした。S&P500全体が上昇する中、ハイテク・半導体銘柄はそれを大きく上回るリターンを生み出しました。エヌビディア +117%、ブロードコム +160%、テスラ +187%——市場平均を大きく超えるパフォーマンスです。

個別株投資の醍醐味は、「どのセクターが伸びるか」を自分で判断して、そこに集中投資できることです。インデックス投資なら全セクターに分散されますが、個別株なら「勝ち馬に多く賭ける」ことができます。その代わり、外したときのリスクも大きい。今回は、AI革命という大きな波に乗れたことが成功の要因でした。

投資タイムライン

2024年1月(11銘柄)

S&P500上位銘柄を中心に投資開始

  • AAPL(アップル)
  • MSFT(マイクロソフト)
  • NVDA(エヌビディア)
  • GOOG / GOOGL(アルファベット)
  • AMZN(アマゾン)
  • META(メタ)
  • AVGO(ブロードコム)
  • TSLA(テスラ)
  • JPM(JPモルガン・チェース)
  • V(ビザ)
  • BRK.B(バークシャー・ハサウェイ)

2025年7月(2銘柄追加)

ネットワーク機器・半導体製造装置に追加投資

  • CSCO(シスコシステムズ)新規投資
  • ASML(ASMLホールディング)新規投資

2025年9月(1銘柄追加)

半導体ファウンドリ最大手に追加投資

  • TSM(TSMC / タイワン・セミコンダクター)新規投資

2025年12月(6銘柄追加)

半導体&ハイテク銘柄に大規模追加投資

  • AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイス)新規投資
  • KLAC(KLAコーポレーション)新規投資
  • MU(マイクロン テクノロジー)新規投資
  • ORCL(オラクル)新規投資
  • ARM(アーム・ホールディングス)新規投資
  • AMAT(アプライド マテリアルズ)新規投資

AI需要の拡大を背景に、半導体製造装置(KLAC、AMAT)、メモリ(MU)、AIチップ設計(ARM)、クラウドインフラ(ORCL)といった、半導体バリューチェーン全体に投資を拡大しています。

ポートフォリオ全体サマリー

2025年12月末時点

  • 評価額:5,038,177円
  • 評価損益:+1,608,237円
  • 保有銘柄数:21銘柄

約2年間で評価額が503万円、評価損益は+160万円のプラスです。ハイテク・半導体銘柄の上昇が大きく寄与しています。

パフォーマンストップ3

評価損益率トップ3

  1. TSLA(テスラ):+187.17%(+96,990円)
  2. AVGO(ブロードコム):+160.84%(+339,984円)
  3. NVDA(エヌビディア):+117.26%(+483,052円)

特にエヌビディアとブロードコムの評価損益が大きく、それぞれ48万円、34万円のプラスです。テスラは2株のみの保有ですが、+187%と驚異的なリターンを記録しています。

2025年12月追加投資:なぜこの6銘柄を選んだのか

2025年12月、半導体&ハイテク銘柄6つに追加投資を実施しました。AI需要の拡大を背景に、半導体バリューチェーン全体に分散投資する狙いです。

2025年12月追加投資銘柄の状況

AMD(-0.81%、-1,370円)

NVIDIAに次ぐGPU大手。データセンター向けEPYCプロセッサとMI300シリーズGPUで、AI市場でのシェア拡大を狙う。NVIDIAの独占を崩す可能性に期待して投資。

KLAC(+4.09%、+7,879円)

半導体検査装置で世界トップシェア。チップ製造の歩留まり向上に不可欠な企業。AI向け先端半導体の製造が増えるほど検査需要も増える。高収益性と参入障壁の高さが魅力。

MU(+9.30%、+18,970円)

DRAM・NANDフラッシュのメモリ半導体大手。AI向けHBM(高帯域幅メモリ)需要の急増で業績回復期待。メモリ市況の回復局面を狙った投資。

ORCL(+1.96%、+1,791円)

データベース最大手からクラウドインフラ企業へ変貌中。AIモデルのトレーニングと推論に必要なクラウド基盤を提供。NVIDIAとの提携強化でAI需要を取り込む戦略。

ARM(-19.57%、-42,018円)

半導体設計アーキテクチャの世界標準。スマートフォンから始まり、データセンター向けCPU設計でも存在感を増す。AI時代の省電力チップ設計の中核企業として期待。

AMAT(-3.56%、-7,578円)

半導体製造装置で世界最大手。薄膜形成、エッチング、CMP(研磨)など幅広い工程の装置を提供。AI向けチップ製造の増加は、製造装置需要の増加に直結する。

投資の狙いは、NVIDIAやブロードコムといった「勝ち組」だけでなく、半導体製造を支える装置メーカー(KLAC、AMAT)、メモリ(MU)、設計(ARM)、クラウドインフラ(ORCL)まで、バリューチェーン全体に投資することです。AI需要の恩恵は、川上から川下まで広がると考えています。

下落銘柄の状況

追加投資した6銘柄のうち、ARM(-19.57%、-42,018円)が大きくマイナスです。10株保有で約4万円のマイナスは正直痛いです。下落の理由は、AI向けCPU設計への期待が高まりすぎて株価が先行していたため、調整局面に入っている可能性があります。また、NVIDIAなどのGPU勢力との競争激化や、中国市場での規制懸念も影響しているかもしれません。

AMAT(アプライド マテリアルズ)も-3.56%と若干マイナスですが、半導体製造装置は設備投資サイクルに左右されやすく、短期的な調整は織り込み済みです。

AMDは-0.81%とほぼ横ばい。NVIDIAの独占状態が続く中、シェア獲得に時間がかかっているようです。

一方、MU(マイクロン)は+9.30%と好調。HBM需要の急増とメモリ市況の回復を背景に、追加投資のタイミングとしては悪くなかったようです。

全銘柄詳細

銘柄 保有数 評価額 評価損益 損益率
NVDA 30 894,995円 +483,052円 +117.26%
AVGO 10 551,365円 +339,984円 +160.84%
MSFT 6 458,193円 +59,604円 +14.95%
AAPL 10 428,089円 +162,749円 +61.34%
ASML 2 335,942円 +47,721円 +16.56%
AMZN 7 254,855円 +52,041円 +25.66%
MU 5 222,962円 +18,970円 +9.30%
AMAT 5 205,041円 -7,578円 -3.56%
KLAC 1 200,359円 +7,879円 +4.09%
GOOG 4 197,265円 +100,668円 +104.21%
GOOGL 4 196,357円 +100,662円 +105.19%
ARM 10 172,660円 -42,018円 -19.57%
AMD 5 168,315円 -1,370円 -0.81%
TSLA 2 148,810円 +96,990円 +187.17%
CSCO 10 122,382円 +15,854円 +14.88%
META 1 103,857円 +21,254円 +25.73%
JPM 2 102,688円 +40,886円 +66.16%
ORCL 3 93,003円 +1,791円 +1.96%
BRK.B 1 78,023円 +12,578円 +19.22%
V 1 55,585円 +12,105円 +27.84%
TSM 1 47,418円 +6,810円 +16.77%

まとめ:テクノロジーの革新は続く

2024年1月から約2年間、ハイテク・半導体銘柄は驚異的な上昇を続けています。NVDA +117%、AVGO +160%、TSLA +187%——この勢いがいつまで続くのかは誰にもわかりません。

しかし、テクノロジーの革新は続きます。AI、クラウド、半導体——これらの技術は今後も成長し続けるでしょう。今は下がっている銘柄も、きっと上がると信じています。ARMの-19.57%も、AMATの-3.56%も、長期で見れば一時的な調整に過ぎないはずです。

個別株投資の目的は、市場リターンを上回ることです。S&P500に投資するよりも高いリターンを得るために、自分で銘柄を選び、リスクを取る。それが個別株投資の醍醐味です。

2026年も、この21銘柄と共に、テクノロジーの未来に賭け続けます。