市場概況:GDP好調も閑散相場

12月23日の米国市場は、GDP統計が予想を上回る好調な内容だったものの、クリスマス休暇前の閑散相場で大きな動きはなし。

主要指数

  • ナスダック総合:23,428 → 23,384 → 23,561(終値)+0.57%
  • S&P500:わずかにプラス
  • ダウ平均:ほぼ横ばい

朝方は若干売られる場面もあったが、NVIDIAの強さに支えられて終盤プラスに転じた。

📅 明日12/24はクリスマスイブで半日取引、12/25はクリスマスで休場

経済指標:3Q GDP +4.3%と予想上回る

GDP統計(3Q改定値)

  • 3Q GDP:+4.3%(予想+3.2%、前回+3.8%)✅ 予想上回る
  • 個人消費:堅調
  • 設備投資:増加

GDPが予想を上回る好調な内容だったにもかかわらず、市場の反応は限定的。

消費者信頼感指数

  • 12月CB消費者信頼感:89.1(予想91.9、前回92.9)❌ 予想下回る
  • 解釈:11月の異常な上方修正の反動で低下

消費者信頼感は若干低下したが、これは11月の大幅上昇の反動であり、深刻な懸念ではない。

閑散に売りなし、逆に買いもなし

クリスマス休暇を控え、市場参加者が少ない「閑散相場」

「閑散に売りなし」とは?

市場の格言で、「閑散相場では売りが出にくい=株価が下がりにくい」という意味。

  • 理由1:売りたい人も少ないが、買いたい人も少ない
  • 理由2:機関投資家が休暇に入り、取引が減る
  • 理由3:大きなニュースがない限り、値動きが小さい

今回も、GDPが好調だったにもかかわらず、買いが入らず、株価は小幅な動きに留まった。

💡 「閑散に売りなし」は「閑散に買いもなし」

売りが出ないから下がらないが、買いも入らないから上がらない。結果、横ばいになりやすい。

NVIDIAの強さが市場を支える

今日の市場で唯一目立ったのが、NVIDIA(NVDA)の強さ

NVIDIA(NVDA)

  • 株価:+2.69%の上昇
  • 理由:AI需要の継続的な強さ、データセンター向けGPU需要
  • 影響:ナスダックをプラスに押し上げ

NVIDIAが強いことで、ハイテク株全体がやや持ち直し、ナスダックがプラスに転じた。

その他の主要銘柄

  • Amazon(AMZN):+1.72%
  • Apple(AAPL):+0.41%
  • Google(GOOG):+1.45%
  • Meta(META):+0.57%
  • Tesla(TSLA):-0.46%(やや下落)

GAFAM全体としては、NVIDIA以外は小幅な動き。閑散相場を反映している。

トランプ氏「また金利を下げたい」発言

トランプ大統領が、再び「金利を下げるべきだ」と発言。

なぜトランプ氏は金利を下げたいのか?

中小企業診断士試験の経済学で学ぶ観点から、トランプ氏の意図を分析してみる。

🔹 理由1:景気刺激効果(IS-LM分析)

金利が下がる → 企業の借入コストが下がる → 設備投資が増える → GDP成長率が上がる

  • IS-LM分析:金利低下は投資(I)を増やし、IS曲線を右シフトさせる
  • 効果:GDP成長率が上がり、雇用も増える
  • トランプ氏の狙い:経済成長を加速させ、支持率を上げる

🔹 理由2:ドル安誘導(為替政策)

金利が下がる → ドルの魅力が下がる → ドル安になる → 輸出が増える

  • 金利平価説:金利が低い通貨は安くなる
  • 効果:ドル安で米国製品の価格競争力が上がり、輸出が増える
  • トランプ氏の狙い:「米国第一主義」で輸出を増やし、貿易赤字を減らす

🔹 理由3:株価上昇(資産効果)

金利が下がる → 株価が上がる → 資産効果で消費が増える

  • 資産効果:株価が上がると、富裕層が「お金持ちになった気分」になり、消費が増える
  • 効果:消費増加でGDP成長率が上がる
  • トランプ氏の狙い:株価を上げて、富裕層の支持を得る

🔹 理由4:財政政策との相性(マンデル=フレミング・モデル)

トランプ氏は減税や公共事業などの財政出動を好む。

  • 問題:財政出動すると金利が上がりやすい(クラウディング・アウト)
  • 解決策:FRBに金利を下げさせれば、財政出動の効果を最大化できる
  • トランプ氏の狙い:財政政策と金融政策を同時に緩和し、景気を一気に加速させる

しかし、FRBは慎重姿勢

トランプ氏の要求に対し、FRBは慎重な姿勢を崩していない

  • FRBの懸念1:金利を下げすぎると、インフレが再燃するリスク
  • FRBの懸念2:政治的圧力に屈すると、中央銀行の独立性が損なわれる
  • FRBの方針:データに基づいて慎重に判断する

トランプ氏とFRBの綱引きは、2026年も続きそうだ。

個人的なポートフォリオの状況

今日の市場はほぼ横ばいで、ポートフォリオも大きな変動なし。

主要保有銘柄

  • NVIDIA(NVDA):+2.69%で好調
  • Microsoft(MSFT):+0.50%で小幅プラス
  • Apple(AAPL):+0.41%で小幅プラス
  • Micron Technology(MU):横ばい

全体としてはプラス0.5%程度。NVIDIAが引っ張ってくれた形。

今後の注目ポイント

クリスマス休暇

  • 12/24(火):クリスマスイブ、半日取引(午前のみ)
  • 12/25(水):クリスマス、休場
  • 12/26(木):通常取引再開

年末年始のスケジュール

  • 12/31(火):大晦日、半日取引
  • 1/1(水):元日、休場
  • 1/2(木):通常取引再開

年末年始は取引日が少なく、閑散相場が続きそう。

まとめ

  • ✅ 3Q GDP +4.3%と予想を上回る好調な内容
  • ✅ 閑散相場で「売りなし買いなし」、ナスダックは小幅プラス
  • ✅ NVIDIAの強さ(+2.69%)が市場を支えた
  • ✅ トランプ氏が「金利を下げたい」と再び要求
  • ✅ 金利低下の狙いは、景気刺激・ドル安誘導・株価上昇・財政政策との相性
  • ✅ FRBは慎重姿勢を崩さず、政治的圧力には屈しない方針
  • ✅ 明日12/24は半日取引、12/25はクリスマスで休場

GDP統計は好調だったものの、市場の反応は限定的。クリスマス休暇を控え、投資家は静観モード。

トランプ氏の金利政策への介入姿勢は、2026年も市場の注目材料になりそうだ。ただ、FRBが簡単に折れるとは思えないので、この綱引きがどう決着するかが鍵。

まあ、穏やかに年末を迎えられるといいな。こんな短期的な動きで売買はしないけど、静かに年を越せることを願う。