【中小企業診断士】運営管理を学んで、過去の実務経験が言語化された話

どうも、とみです。

中小企業診断士の勉強で「運営管理」を学習中です。

この科目を勉強していて、思わぬ副産物がありました。

それは、「過去の実務経験が、体系的に整理されていく」という感覚です。

物流会社と生産管理部での経験

私は過去に、物流会社生産管理部で働いていた経験があります。

  • 物流会社では、倉庫でのピッキング作業、在庫管理、出荷業務
  • 生産管理部では、生産計画、工程管理、少量多品種のレイアウト設計

当時は「とにかく現場を回す」ことに必死で、目の前の業務を「なんとなく」こなしていました。

「この配置が効率的だな」「この在庫量だと安心だな」といった感覚的な判断が多かったんです。

運営管理を学んで気づいたこと

それが、中小企業診断士の「運営管理」を勉強し始めて、驚くことが起きました。

「あぁ、あのときやっていたことって、これだったのか」

という瞬間が、何度も訪れるんです。

例①:安全在庫の考え方

物流会社で「在庫が切れないようにしておく量」を、なんとなく調整していました。

運営管理で学ぶと、それは「安全在庫」という概念で、ちゃんと公式があったんです。

安全在庫の公式

安全在庫 = 安全係数 × 需要の標準偏差 × √調達期間

当時は「これくらい持っておけば大丈夫だろう」と経験則でやっていたことが、実は数式で表現できるんだと知りました。

しかも、その考え方は需要のばらつき調達期間を考慮した、かなり理にかなったものでした。

「ああ、自分はこれを感覚でやっていたのか」と思うと、妙に嬉しくなりました。

例②:少量多品種エリアのレイアウト

生産管理部では、少量多品種の組み立てエリアを担当していました。

当時、「このレイアウトなら作業がスムーズだな」と思って配置を変えたことがあります。

運営管理で学ぶと、それは「U字型レイアウト」「セル生産方式」と呼ばれるものでした。

📦 当時のレイアウト変更の記憶

  • 部品棚を作業台の周りに配置
  • 作業者が少ない動線で部品を取れるように工夫
  • 完成品をすぐに次工程に流せる配置

これが、「U字型レイアウト」だったんです。

「これって、こういう名前がついていたんだ」と知ったとき、自分の実務経験が言語化された感覚がありました。

例③:物流のピッキング作業

物流倉庫でピッキング作業をしていたとき、「摘み取り方式」「種まき方式」という2つのやり方を使い分けていました。

  • 摘み取り方式:注文ごとに倉庫を回って商品を集める
  • 種まき方式:商品をまとめて集めてから、注文ごとに仕分ける

当時は「大量の注文があるときは種まきが楽だな」程度の認識でした。

運営管理では、この2つが「オーダーピッキング」「トータルピッキング」として、それぞれのメリット・デメリットが体系的に説明されていました。

方式 メリット デメリット
摘み取り方式
(オーダーピッキング)
注文ごとに完結
ミスが少ない
移動距離が長い
時間がかかる
種まき方式
(トータルピッキング)
移動距離が短い
大量処理に向く
仕分け作業が必要
ミスが起きやすい

「ああ、自分が感覚的にやっていた使い分けは、ちゃんと理屈があったんだ」と納得しました。

実務経験が「知識の棚卸し」される感覚

運営管理を学ぶことで、過去の実務経験が整理される感覚があります。

💡 知識の棚卸しとは

  • 当時「なんとなく」やっていたことに、名前がつく
  • 感覚的に判断していたことに、理論があったと知る
  • 経験がバラバラだったものが、体系的に整理される

これは、単に「試験勉強」をしているだけでは得られない感覚です。

実務経験がある人にとって、運営管理は「自分のキャリアを言語化する科目」になります。

用語は知らなかったけど、基本は押さえていた

運営管理で出てくる用語は、正直難しいです。

  • 「安全係数」「需要の標準偏差」「調達期間」
  • 「セル生産方式」「ライン生産方式」「ジョブショップ型」
  • 「ロケーション管理」「ABC分析」「クロスドッキング」

これらの用語は、当時の自分は全く知りませんでした

でも、「やっていたこと」は、これらの理論に沿っていたんです。

「用語は知らなかったけど、基本は押さえていた」

これが、運営管理を学んで気づいた一番の発見です。

運営管理を学ぶべき理由

中小企業診断士の勉強をする前は、運営管理って「製造業の人向けの科目」だと思っていました。

でも、実際に学んでみると、こんなメリットがありました。

①実務経験が体系化される

物流会社や生産管理部での経験が、理論として整理されます。

「あのときやっていたことは、こういう意味があったのか」と、後付けで納得できる感覚です。

②未経験の分野も「イメージ」できる

逆に、経験のない分野(例えば店舗経営や小売業)も、運営管理で学ぶことでイメージできるようになります。

「店舗レイアウト」や「発注方式」といった、普段触れない領域も、理論として頭に入るんです。

③今後のキャリアに活きる

運営管理で学ぶ内容は、製造業だけではありません。

  • 物流・倉庫管理
  • 店舗運営
  • サービス業のオペレーション
  • EC・通販の配送管理

あらゆる業界で「オペレーション」は存在します。

運営管理を学ぶことで、「仕事の仕組み」を理解する力がつくんです。

まとめ:実務経験がある人こそ、運営管理は面白い

運営管理を学んでいると、こんな感覚になります。

「ああ、あのときの少量多品種エリアのレイアウトは、U字型レイアウトだったんだな」

「あのとき調整していた在庫量は、安全在庫の考え方だったんだな」

実務経験がある人にとって、運営管理は「知識の棚卸し」になります。

逆に、実務経験がない人にとっては、「将来の実務をイメージする」科目になります。

どちらにとっても、学ぶ価値がある科目だと思います。

引き続き、運営管理の勉強を進めていきます。次は「店舗・販売管理」の分野に入るので、また新しい気づきがあるはずです。