年100万円の副業を妻に譲渡する計画
僕には年間100万円ほどの売上が上がる副業があります。
これに新規事業として色々な経費が乗ります。特に販管費や会議室利用費。
💡 現在の税務状況
- 売上:100万円
- 経費:200万円(販管費、会議室利用費、広告費など)
- 事業所得:▲100万円
税金がかからないどころか、むしろ赤字になっていました。
でも経費が減っていくなら売り上げが上がるわけで、いっそ妻の事業にしてしまったら、と考えました。
当初の計画:妻に譲渡してコンサル費用をもらう
計画はこうです。
- 妻に事業を譲渡:年100万円の副業を妻の事業にする
- 僕はコンサルタントになる:妻の事業に対して営業企画支援を行う
- コンサル費用をもらう:妻から僕に月5万円(年60万円)のコンサル費用を払う
こうすると:
🎯 期待していた効果
妻側
- 売上:100万円
- コンサル費用(経費):60万円
- その他経費:20万円
- 所得:20万円
- 青色申告控除:▲65万円
- 課税所得:0円(控除しきれない)
僕側
- コンサル収入:60万円
- 新規事業の経費:70万円(積極投資)
- 事業所得:▲10万円(赤字)
- 給与所得と損益通算で約2万円の節税
つまり、妻の青色申告控除を活用しつつ、僕も赤字を作って給与所得から節税できる。完璧でしょう。
そう思っていました。
「生計を一にする者」間の取引は経費にならない
でも調べてみたら、この計画は完全にアウトでした。
所得税法第56条「生計を一にする親族の対価」
所得税法には、こんな条文があります。
所得税法第56条(生計を一にする親族の対価)
居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。
要するに、同じ生計の家族間でお金のやり取りをしても、経費として認められない。
「生計を一にする」とは
「生計を一にする」というのは、簡単に言うと同じ財布で生活している状態。
- 同居している配偶者や親族
- 別居していても、生活費を送っている場合
- 同じ家計で暮らしている場合
僕と妻は同居しています。当然、「生計を一にする」に該当します。
つまり、妻に月5万円のコンサル費用を払っても、僕の経費にはならないし、妻の収入としてもカウントされない。税務上、無かったことになります。
なぜこんなルールがあるのか
このルール、最初は理不尽だと思いました。でも考えてみれば当たり前です。
家族間の取引は恣意的に操作できる
もしこのルールがなかったら、家族間で架空の取引を作り放題になります。
⚠️ ルールがなかったら起こること
- 父親が息子に年1,000万円の「コンサル費用」を払う
- 息子は何もしていないが、費用として計上
- 父親の所得が1,000万円減り、税金が大幅に減る
- 息子は1,000万円の収入を得るが、控除で税金はほぼゼロ
- 結果、家族全体で税金を大幅に節約
こんなのが許されたら、税制が崩壊します。だから「生計を一にする者」間の取引は、最初から無視される仕組みになっています。
青色事業専従者給与という例外
ただし、例外が一つだけあります。青色事業専従者給与です。
これは、配偶者や親族を正式に「従業員」として雇い、給与を払う場合に限り、経費として認められる制度。でも条件が厳しいです:
- 青色申告をしていること
- 事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出
- その年を通じて6ヶ月を超える期間、専ら事業に従事していること
- 給与額が労務の対価として適正であること
僕の場合、妻は別の仕事をしているし、6ヶ月も専従させるわけにはいきません。だからこの制度も使えません。
今年中に何か考えないといけない
実は、既に妻が開業届を出して事業譲渡は完了しています。
つまり、今年中に何らかの対応を考えなければいけません。
「生計を一にする者」間の取引ルールを理解した今、このまま放置すると税務上問題になる可能性があります。今のままでは、妻の事業に対して僕がコンサル費用をもらう形になりますが、それは税務上認められません。
今後の選択肢
選択肢1:僕が別の新規事業を始める
妻はそのまま譲渡された事業を続け、僕は全く別の新規事業を立ち上げる。そうすれば、妻の事業に対して僕がコンサルタントとして関わり、正当な対価をもらうことができます。
ただし、新規事業を軌道に乗せるまでには時間と労力がかかります。本当にそこまでやる価値があるのか、よく考える必要があります。
選択肢2:事業を僕に戻す
最もシンプルなのは、妻から事業を僕に戻すこと。でも、せっかく開業届を出したのに戻すのも手間がかかるし、何のための譲渡だったのかという話になります。
補足:青色事業専従者給与は使えない
ちなみに、青色事業専従者給与という制度もありますが、これは妻を扶養に入れられなくなるため、僕の場合は論外です。
青色事業専従者給与を受け取ると、配偶者控除や配偶者特別控除が使えなくなります。妻を扶養に入れておきたいので、この方法は現実的ではありません。
とりあえず、今年中に整理が必要
どの選択肢を取るにしても、今年中には何らかの形で整理する必要があります。
適当に書きましたが、こんな感じで考え中です。