どうも、とみです。
中小企業診断士の勉強で「運営管理」を学習中です。
今回は「中心市街地活性化法」と「都市計画法」の違いについて、自分の勉強メモとして整理します。
この2つ、名前も目的も似ていてごちゃごちゃになりがちなんですよね。でも試験では明確に区別して問われます。
まず結論:何が違うのか
衰退した中心市街地を
再び賑わいのある街に
大型店の無秩序な出店を
コントロールする
中心市街地活性化法とは
📈 中心市街地活性化法(中活法)
正式名称:中心市街地の活性化に関する法律
制定年:1998年(平成10年)
目的(条文より):「都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進し、中心市街地の活性化を図る」
基本計画の認定:内閣総理大臣
意見申し出:商工会、商工会議所等が個別に意見を申し出ることができる
背景:なぜこの法律ができたのか
1990年代、日本の地方都市では「シャッター街」が社会問題になりました。
- 郊外に大型ショッピングセンターができる
- 車で買い物に行く人が増える
- 中心市街地の商店街が寂れる
- シャッターが閉まった店が増える
この状況を打開するために、「中心市街地を活性化しよう」という政策が生まれました。
具体的な内容
中心市街地活性化法の主な施策
- 基本計画の作成と認定:市町村が基本計画を作成し、内閣総理大臣が認定する
- 中心市街地活性化協議会:行政・商工会・商工会議所・地元企業が協力して設置
- 個別意見申し出:商工会、商工会議所等が基本計画に対して個別に意見を申し出ることができる
- 支援措置:補助金、税制優遇、低利融資など国による手厚い支援
- 都市機能の増進:商業、文化、福祉などの都市機能を中心市街地に集約
- 経済活力の向上:空き店舗対策、テナント誘致、リノベーション支援など
都市計画法とは
🏢 都市計画法
正式名称:都市計画法
制定年:1968年(昭和43年)※2000年に大規模店舗規制が追加
目的(条文より):「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与する」
決定機関:都道府県または市町村(都市計画の決定は都市計画決定権者が行う)
背景:なぜこの法律ができたのか
都市計画法は、もともと「都市全体をどう作るか」を決めるための法律でした。
2000年に、「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」と連動する形で、大型店の出店規制が強化されました。
- 郊外への無秩序な大型店出店を防ぐ
- 交通渋滞や環境悪化を防ぐ
- 中心市街地の空洞化を防ぐ
具体的な内容
都市計画法の主な規制
- 用途地域の指定:商業地域、住居地域などを決める
- 市街化区域と市街化調整区域:開発を認める場所と認めない場所
- 大規模店舗の立地規制:床面積1万㎡超の店舗は原則として市街化区域内のみ
- 開発許可制度:一定規模以上の開発には許可が必要
2つの法律の比較表
| 項目 | 中心市街地活性化法 | 都市計画法 |
|---|---|---|
| 目的 | 中心市街地の活性化 | 都市の秩序ある開発 |
| アプローチ | プッシュ型(積極的支援) | プル型(規制・コントロール) |
| 対象エリア | 中心市街地(限定的) | 都市全体(広域) |
| 主な手段 | 補助金、税制優遇、低利融資 | 用途地域、開発許可、立地規制 |
| 誰が主導 | 市町村(認定:内閣総理大臣) 意見申し出:商工会・商工会議所 |
都道府県 + 市町村 (都市計画決定権者) |
| 制定年 | 1998年(平成10年) | 1968年(昭和43年) ※2000年に大型店規制追加 |
まちづくり三法との関係
この2つの法律に「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」を加えたものを、「まちづくり三法」と呼びます。
📚 まちづくり三法
- 中心市街地活性化法:中心市街地を活性化する(プッシュ)
- 都市計画法:郊外への大型店出店を規制する(プル)
- 大店立地法:大型店の出店時に周辺環境への配慮を義務付ける
この3つで、「中心市街地を守りながら、都市全体を調和させる」ことを目指しています。
試験対策のポイント
🎯 試験で狙われるポイント
- 中心市街地活性化法:基本計画の認定は内閣総理大臣
- 都市計画法:都市計画の決定は都道府県または市町村
- 意見申し出:商工会、商工会議所等が個別に意見を申し出できる
- 目的の違い:中活法は「都市機能の増進・経済活力の向上」、都市計画法は「健全な発展・秩序ある整備」
覚え方:中活法=アメ(支援)、都市計画法=ムチ(規制)
おわりに
中心市街地活性化法と都市計画法、名前は似ていますが目的は全く違います。
- 中心市街地活性化法:活性化するための支援(プッシュ型)
- 都市計画法:無秩序な開発を防ぐ規制(プル型)
この2つをセットで覚えると、「まちづくり三法」の全体像が見えてきます。
中小企業診断士試験では、この違いを明確に区別して答えられるかが問われます。
図解で整理すると、スッキリ頭に入りますね。引き続き勉強頑張ります!