はじめに

確定申告の時期が近づいてきた。今年もfreeeで帳簿をつけてきたが、一つ大きな問題に気づいた。家事按分の処理方法がわかりづらすぎるのだ。損益レポートを見ると、12月だけ異常に利益が膨らんでいる。「あれ、12月に何かやらかしたかな?」と思って確認したら、これがfreeeの家事按分機能の仕様だった。

毎月の経営判断のために損益レポートを見ているのに、12月だけ数字が大きく歪むのでは意味がない。来年はもっと簿記上手にやりたい。そう考えて、確定申告に備えて準備を始めた。

freeeの家事按分が曲者

freeeの家事按分機能には、大きな問題がある。毎月の家賃が全額経費として計上され、12月に一気に按分処理が行われるのだ。この仕様のせいで、月次の損益レポートが大きく歪む。年間の税額計算としては正しいが、月次で経営判断をするには全く向いていない。

freeeの家事按分の仕様

  • 1月〜11月: 家賃10万円が毎月全額経費として計上される
  • 12月: 1年分の按分処理(例:80%分を事業主貸として振替)が一気に実行される
  • 結果: 12月だけ96万円の事業主貸が発生し、損益レポートが大きく歪む

具体例で説明しよう。例えば、家賃が月10万円で、家事按分率20%(事業用)と設定している場合。freeeの自動家事按分を使うと、1月から11月までは毎月10万円が全額経費として計上される。そして、12月になると、プライベート分の80%(月8万円×12ヶ月=96万円)を一気に「事業主貸」として振り替える処理が実行される。

1月〜11月の処理

借方: 地代家賃 100,000円

貸方: 普通預金 100,000円

→ 毎月10万円が全額経費として計上される

12月の処理(按分実行)

借方: 地代家賃 100,000円

貸方: 普通預金 100,000円

【按分処理】

借方: 事業主貸 960,000円(80% × 12ヶ月分)

貸方: 地代家賃 960,000円

→ 12月だけ96万円の事業主貸が発生し、経費が一気に減る

この結果、損益レポートには1月から11月まで毎月△10万円の経費が計上されるが、12月になると△10万円の経費に加えて+96万円の事業主貸(経費のマイナス)が発生するため、実質+86万円の利益が出ているように見える。しかし、これはあくまで按分処理の影響であって、実際に12月に利益が出たわけではない。月次で正確な損益を把握するには、この方法は向いていない。

実際の損益レポートがこちら

画像を見てほしい。12月だけ異常に利益が出ている。これがfreeeの家事按分処理の結果だ。1月から11月までは家賃が全額経費として計上されているため、見かけ上の経費が多くなっている。そして、12月に一気に按分処理が実行されるため、突然利益が膨らんでいるように見える。

freeeの損益レポート - 12月だけ利益が突出している

12月だけ突出して利益が出ているように見えるが、これは按分処理の影響

わかりづらすぎる。直す方法もない様子

freeeの家事按分機能は、年間の税額計算としては正しい。しかし、月次の損益把握には全く向いていない。毎月の経営判断をするために損益レポートを見ているのに、12月だけ数字が大きく歪むのでは意味がない。「今月は利益が出たから、来月は広告費を増やそう」とか「今月は赤字だから節約しよう」という判断が、家事按分のタイミングによって大きく変わってしまう。

freeeのヘルプを調べても、「家事按分は12月に一括処理されます」としか書いていない。月次で按分処理する設定は、探した限り見つからなかった。他の会計ソフトでは月次按分の設定ができるものもあるらしいが、freeeにはその機能がない。

来年は都度処理で対応する

来年は、freeeの自動家事按分機能を使わず、手動で都度処理することにした。freeeの自動按分は便利だが、月次の損益把握ができないのは致命的だ。毎月の経営判断に使える正確な損益レポートを作るために、手間は増えるが都度処理に切り替える。具体的には、以下の3ステップで処理する。

✅ 都度処理の方法(3ステップ)

ステップ1: 家賃支払いを登録(全額経費として)

家賃10万円を支払ったら、まずは全額を「地代家賃」として登録する。

  • 借方: 地代家賃 100,000円
  • 貸方: 普通預金 100,000円

ステップ2: 按分処理を追加登録(プライベート分を振替)

同じ日付で、プライベート利用分(80%)を「事業主貸」に振り替える取引を手動で追加する。

  • 取引タイプ: 決済(振替)を選択
  • 勘定科目: 課対仕入8%(または課税区分「対象外」)
  • 金額: 80,000円
  • 品目・部門・メモタグ: 「80%分振替」などメモを記入
  • 備考: 「無形」

この処理により、以下の仕訳が自動生成される。

  • 借方: 事業主貸 80,000円
  • 貸方: 地代家賃 80,000円

ステップ3: 結果の確認

この月の地代家賃は、実質20,000円(事業用分のみ)として正しく計上される。

この方法なら、毎月の損益レポートが正確になる。12月に一気に按分処理されることもない。手間は増えるが、月次で正確な経営判断をするためには、この方が良いと判断した。freeeの自動按分は確かに便利だが、月次の数字が歪むデメリットの方が大きい。

確定申告に備えて準備中

今年の確定申告は、freeeの自動家事按分をそのまま使う。すでに12月まで処理が終わっているからだ。今から修正するのは手間がかかりすぎるし、年間の税額計算としては正しいので問題ない。

ただし、来年2026年分の確定申告(2027年3月提出)からは、都度処理に切り替える。毎月の帳簿づけは少し手間になるが、正確な月次損益を把握できるメリットの方が大きい。月次で正確な数字が見えれば、経営判断の精度が上がる。「今月は広告費を増やそう」「来月は経費を抑えよう」という判断が、正しい数字に基づいてできるようになる。

まとめ:来年はもっと簿記上手にやりたい

freeeの家事按分機能は、年間の税額計算としては問題ない。しかし、月次の損益把握には向いていない。12月に一気に按分処理される仕様のせいで、月次の損益レポートが大きく歪む。

来年は、都度処理で毎月正確な損益を把握する。3ステップの手動処理で、経営判断に使える月次レポートを作る。確定申告に備えて、今のうちから準備しておく。来年はもっと簿記上手にやりたい。